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いろいろ

ポッドキャスト環境(仮)

最近ポッドキャストをはじめました。

馴染みのない言葉かもしれませんね。インターネットラジオだと思えばOKです。週一回、友人との雑談を各プラットフォームにて配信しています。全人類iPhoneを利用していると思うので、Apple Podcastのリンクを載せておきます。

‎Apple Podcast内のDistortion.fm

本当はめっちゃいい音質で配信できるようになってから「ポッドキャスト大全」として執筆したかったのですが、気づいたら熱が冷めていました。憎いぜゴールデンウィーク

今回は道半ばのスナップショットを、私の作業メモも兼ねて記すこととします。

録音

友人と二人で通話をして収録しています。それぞれの手元で録音した音源を、以降の編集工程で一つの音源へとマージします。

通話用のソフトはZoom、LINE、Discordと乗り換えてきましたが、まあなんでもいい。今はDiscordを利用しています。これはDiscordが低レイテンシだと聞いたからです。しかし、結局のところ通信ラグは抑えられていません。そもそもネットワーク環境を見直せということ。

通信ラグは大きな問題です。もちろんリモートワークでも通信ラグは困りますが、白熱したバトルにでもならない限り、会議はある程度ターン制なのでマシです。雑談の場合はテンポ感が大事であり、コンマ一秒のラグで会話のリズムが変わります。

現在の環境では最大500msほど通信ラグが発生しているようなので

  • 「んー」や「えーと」といったフィラーを発言の前にあえて入れる
  • 未来を先読みして相槌をする

といった対応により、会話がぶつからないようにしています。

録音時に使用しているマイクはこんな感じ。

私はしばらくATR2100というダイナミックマイクを利用していましたが、録音した自分の声に違和感を感じていました。コンデンサマイクであるMPM-4000Uを試したところ、しっくりきたので使い続けているという経緯です。

一方で友人はiPadで録音しています。別に音が悪いとは思いません。なので、これからポッドキャストをはじめるのであればスマホの録音で十分だと思います。スマートフォンってフォンだぜ。電話。マイクはそれなりにいいものでしょう。それに、iPhoneなら10万近くしているはず。それだけの金額があれば、記者会見できるくらいたくさんのマイクが買えます。だから自信を持ってiPhoneで録音すればいいと思います。

編集

一番時間のかかる作業です。

純粋な編集作業に音源の2~3倍の時間をかけています。編集後の音源を何回か通して聴くので、それも踏まえると相当な時間を要していることになります。

編集ソフトは「Logic Pro」です。その機能やプラグイン、必要に応じて外部のプラグインを利用して編集します。以下、ざっくり工程。サンプルとして各工程後の音源も載せておきました。イヤホンで聴くと違いが分かるかもしれません。(追記:スマホで再生できないみたいなので、あとで原因調査します。PCでは聴けると思います。)

  • ノーマライズ
    二人の音源には音量差があるため、まずは音量をそろえます。Logic Proの「ゲインをノーマライズする」機能を利用していますが、この手法では目的を満たせない気がします。そのうち別の方法へ変更します。
    以下はサンプルとなる音源のrawデータです。
  • ホワイトノイズ除去(外部プラグイン
    Acon Digital DeNoise 2
    「サー」といった録音時にどうしても含まれてしまう環境音を削除します。
  • リップノイズ除去(外部プラグイン
    Acon Digital DeClick 2
    会話に紛れる「ペチャ」っとした音を削除します。
  • コンプレッサー
    笑い声などの局所的に音が大きくなった部分をつぶします。ただし、音質は変化します。それが嫌で現在はあまり強くかけていません。この後のオートメーションで何とかならないかと考えているところです。
  • オートメーション(外部プラグイン
    Vocal Rider
    音の大きい部分の音量を下げればコンプレッサーを使わずに、音質を変化させずに、音量をならすことができます。

    しかし、すべての音源にやっていられるはずもなく。これを自動化した外部プラグイン「Vocal Rider」を試している最中です。

    なお「オートメーション」という言葉は不適切かもしれません。めんどさくさいので深追いはしません。
  • 編集
    Logic Proの「無音部分を削除する」機能を利用して音声データを分割します。


    その後に、不要な部分を削除したり、間を詰めたり。
  • リミッター
    ラウドネスが-19LUFSくらいになるように調整します。

この他にDeEsserやイコライザを適切に施すことで、もう少し聴きやすくなるはずです。今後の課題。

各音源を読み込んで波形を表示するとこんな感じ。

まちがいさがし「波形の変化」

こうして作成した音源をLogic ProからWAVファイルとして出力し、「Forecast」というソフトでMP3形式への変換とチャプタ付与をおこないます。

Forecast: Podcast MP3 Chapter Encoder — Overcast

チャプタは必須ではありませんが、対応しているプラットフォームであれば以下のようにチャプタが表示され、リスナーが好きな話題を選んで聴くことができるので便利です。

Apple Podcastの場合

このMP3ファイルが最終的な音源です。お疲れ様でした、俺。

配信

Spotify for Podcasters」でホスティングしています。

Spotify for Podcasters

作成したMP3ファイルをアップロードして、タイトルと説明文を付与します。もともとは「Anchor」というサービを利用していましたが、先日AnchorがSpotify for Podcastersに統合されました。

Introducing the new Spotify for Podcasters

Spotify for Podcastersはホスティングのために利用しているのであって、Spotifyでしか配信できないわけではありません。重要なのはRSSフィードRSSフィードを登録すれば各プラットフォームで配信できます。そのうち自前でRSSフィードの配信を試してみたいなと考え中。

おしまい

リモート収録形式でポッドキャストをはじめたい人がいれば、まずはZoomでの録音をおすすめします。設定により参加者それぞれの音源を保存することができるので、これをGarageBandに読み込んで編集するだけです。ホワイトノイズ削除や音量調整がされているため、プラグインの手間もないはず。そのせいか、こもった声に聞こえてしまう点はネック。

軌道に乗って環境が落ち着いたら、各プラグインの設定値も含めて記事を書きたいな。おしまい。