2023年に発売された楽曲の中から好きな10曲を選びます。
今年は日本各地を旅しました。文字通り世界が広がったことで、歌詞の意味を多角的に捉えられるようなったと思います。ポッドキャストを始めるという挑戦をした年でもありました。その収録・編集作業を通じて音に対する解像度が上がったように感じます。
仕事の面では転職という一大イベントがありました。転職活動を支えてくれた楽曲には感謝しかありません。現在は有給消化期間のため労働の束縛から解き放たれています。
そんな自由を手に入れた今年のテーマは「自由な10選」としましょう。
(2023/12/24:追記)
まえがきを変更しました。
(2023/12/23:追記)
まえがきの追記と文章全体の微修正をおこないました。
季節のカルテット / 鈴木みのり
作詞:竹内サティフォ
作曲・編曲:ONIGAWARA
キャッチーでハッピーなポップチューン。カルテットは春夏秋冬を意味する。日本には四季がある。
2023年の晩冬、「季節のカルテット♪カルテット♪」というフレーズが私の中でバズり散らかしました。変な位置にアクセントがあるのか、不思議とクセになり、強烈に耳に残る。歌詞は違えどサビ中に四回もこのリズムが登場するので、1サビを聴き終わった頃には頭の中をカルテットが支配しています。思い返せば今年の2月はしばらく頭カルテットでした。(未確認の生命体?)
SNS言葉を多用した歌詞も特徴的です。
- たった15秒で伝わる程 君は容易くないんだ
- 君とじゃなきゃ 映えないな!
- 100万回じゃ足りないくらい 二人の思い出バズらせよう!
2サビには100万ドルじゃ買えないくらいとあります。バズり指標としての100万回と「100万ドルの夜景」の100万という数字がよく揃ったなと感心していました。100万PV欲しいな。
欲が出てきたところでもっと強欲な歌詞を引用しましょう。
その髪も目も耳も唇も 話し方や笑い声も全部 フォルダーの中に君を捕まえて!
ええと。既視感のある歌詞なのだけれど。
最後はそれじゃまた春から始めよう!と締めくくります。「ずっと一緒」という想いを感じることができるきれいな終わり方です。
水彩世界 / スリーズブーケ
作詞:ケリー
作曲:栗原 暁(Jazzin’park)、前田 佑
編曲:前田 佑
弦編曲:門脇大輔
春には蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブが始動しました。*1
春風に舞う桜色 夏色叫んだ日の青 秋の暮れ燃える赤 白銀の冬
日本には四季がある。
私は蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ デビューミニアルバム『Dream Believers』過激派。その収録曲であることで+100万点。スリーズブーケが歌っていることで+100万点。
ライブでは毎回低音がイカれていて爆笑した想い出深い曲です。
フォーチュンムービー / スリーズブーケ
低音の次は高音の話をしましょう。
今話題のスクールアイドル「スリーズブーケ」の良いところは何だと思いますか。正解は良い曲しか歌わないところです。次いで高音のユニゾンが気持ち良すぎるところ。声の相性が良いのでしょう。歌詞やメロディに切なさを添えてくれる大好きなボーカルです。
6月に参加したライブの感想を引用します。
フォーチュンムービーという知らん曲はとても良かったので、帰ったら聴き込むます。この裏声でしか得られない成分がきっとある。
初見でも印象に残るくらい気持ち良かったので選出。心のビタミン不足に効く成分がありました。
Mix shake!! / スリーズブーケ
作詞:ケリー
作曲・編曲:川崎智哉
スリーズブーケが誇る栄養満点ドカ沸き曲。曲名を元にした愉快な歌詞が元気を与えてくれます。
自分のことをスリーズブーケだと勘違いしているギターがBメロを歌うところから曲が始まります。そこからギアを上げてカッティングが心地よいイントロへ。歌いたくなるイントロ。曲はイントロが9割。
間奏はシンセの独壇場。電子音だとラスサビ前のレベルアップ音もいいね。サビではっちゃけるドラム。随所で動き回るベース。とにかく楽器隊がはちゃめちゃわちゃわちゃいい感じの曲です。
そろそろ文字を読むのにも飽きたでしょう。Mix shake!!をキメる動画を挟みます。
この後のベースが効きどころであり聴きどころ。
ライブではラスサビで他ユニット全員が出てきてタオルをぶん回す一幕も。異次元フェスではコラボで披露されました。演者も観客もみんな楽しむことができるライブ映えする曲ですね。
Reflection in the mirror / スリーズブーケ
作詞:ケリー
作曲:桃宇アリサ、めんま
編曲:めんま
弦編曲:真部 裕
Holiday∞Holiday / スリーズブーケ
君と過ごす毎日が休日のように楽しい。キラキラした音が全体を彩るかわいい曲です。
単独公演でもフェスでも毎日のように歌っていたスリーズブーケの代表曲であり、今年はライブで8回も聴きました。水樹奈々さんの夏ツアーで一番聴いた曲でも8回。実質Astrogationであると言えそうです。
たくさんライブで聴いたおかげで「はい!はい!」というスリーズブーケ二人の煽りが原曲でも聴こえてきます。この声色がとてもかわいい。かなりの推しポイントですがそれを伝えられないことが残念です。365日いつでも歌うので来年開催される蓮ノ空2ndライブツアーの配信を観ることを勧めます。私が参加できないと困るので現地には絶対に来ないでください。
急上昇して急旋回 急下降して急展開 全速力だよね毎回
単純だけどここの韻踏みも好きなポイントです。あと、隣でウキウキしている梢センパイを見ると笑っちゃいます。
眩
Genyo
耀
Yako
夜
行
スリーズブーケ
作詞:ケリー
作曲:小野寺祐輔(Arte Refact)
編曲:脇 眞富(Arte Refact)
夏夜のストーリーを匂わせる幻想的な曲。
歌詞には街中が空を余所見する間になど聴き手に情景を思い浮かばせるような表現、詩的な表現が多く登場します。ラスサビ前は「きれいな夜だね」と文学少女の日野下花帆さんが呟く。令和の夏目漱石である。*2早く紙幣になればいいのにな。最後はずっと…忘れないでとアウトロもなく終わります。代わりに数秒の無音、余韻がある。本当に小説を読んでいる気分になります。
もちろん小説ではないので旋律があり声の表現も乗ります。二回歌われるこの手はもう離さないもそれぞれ異なる印象を受けることでしょう。曲中の最高音だと思いますが裏声ではない力強い歌声に決意を感じる。
主張の強いギターソロも印象的。ギターの歪みが気持ち良いというより少し浮いているように感じるけれど、この疾走感が駆け行く二人の様子を思わせてくれます。サビは盛り上げまくるブラスと美しいストリングスにより壮大さが際立つ。とくにブラスの明るさに引っ張られないところに編曲の妙を感じました。
曲そのものから逸れますが眩耀夜行の衣装がとても好きです。色鮮やかな衣装も曲の雰囲気を形作ります。
素顔のピクセル / スリーズブーケ
今この瞬間の積み重ねで眩しい未来がある。特別なことだけじゃなくて、素顔の、日常の積み重ねの先に未来がある。今を楽しく大事に生きようと思わせてくれる曲です。
- 歌いたくなるギターリフ
- かわいいダンス
- メッセージ性のある歌詞
この三つの要素から素顔のピクセルは構成されています。言及すべきはやはり歌詞でしょう。曲は歌詞が9割。
写真に関するワードが登場しますが、実際に写真を撮る訳で無いことはもちろん、過去を振り返るものでもありません。ジグソーパズルの一欠片やワンピクセルといった小さな部分が全体を織り成す。その全体もまた一つの部分となる。そのように今この瞬間の繋ぎ合わせが連続して未来がつくられる。余白だらけの一日もただ過ぎて行く一秒も、どんな感情もどんな場面も、今を大事に未来へ繋げて永遠にしよう。
楽しいも大切も大好きも そこにある一瞬を永遠にしよう 何一つ無駄じゃない ワンピクセルのかけがえの無い今
相対的に小さくなっていく一瞬も何一つ無駄じゃないと歌い切ってくれる点は頼もしい。パンチラインに続くサビ後半では具体的な内容が示されます。ここはコンテンツを知っていると解像度が上がって情景が鮮明に浮かぶことでしょう。*3
背を伸ばし凜とした横顔 照れ隠しそっぽ向いた顔も こぼさずに切り取ってくよ この眼はいつも君を追いかけている ピース!
ここまではコンテンツの文脈に沿って話してきましたが、この曲に陶酔している一番の理由は自分の考え方に近いところがあるからです。点が線に、線が面になって物事の理解が深まる。視点・視座を変えることでいろんな側面から気づきを得る。そうして世の中に対する解像度を上げて知的好奇心を満たすことが人生のおもしろさ。
こじつけではないですよ。スリーズブーケは蓮ノ空の伝統的なユニットであり、素顔のピクセルは歌い継がれる伝統曲です。私がスリーズブーケになったらそういう思いを込めて歌うというだけ。
アイデンティティ / みらくらぱーく!
作詞:ろさ
作曲・編曲:大熊淳生(Arte Refact)
みらくらぱーく!で一番良い曲はアイデンティティです。
蓮ノ空1stライブツアーでは新曲を聴かない謎の縛りを自分に課していたため半分近くが知らない曲でした。その中で一番印象に残った曲がアイデンティティ。自分の理想を信じて追い求める様がハロめぐに重なり心にグッと来る。そしてやっぱ楽しく!というみらくらぱーく!らしい歌詞に惚れました。
ライブが終わった後も原曲を聴いていません。執筆時点で再生回数は5回未満。*4その時の感情を上書きしないよう、年内は聴き込まず、もう少し記憶に刻まれるのを待ちます。記録より記憶に残る曲でした。
ド!ド!ド! / みらくらぱーく!
作詞:ろさ
作曲・編曲:山本玲史
ド!ド!ド!はPROTECTIONだから好き。
ド!ド!ド!を聴くと泣いてしまう。蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんであれば「それな!二人が困難を乗り越えてみらくらぱーく!を結成するエモ曲になったよね〜😭」と共感してくれることでしょう。
全然違う。俺は春から涙を流していた。
1サビと2サビを引用します。
ド!ド!ド!ドンと来いだよ ハンデ有りのノンフィクション いまいまいまこの瞬間が スタート切るチャンスなんだ ドンと来いだよ 気合い入れてこんちくしょう ほらほらもうあっちゅうま 大逆転しちゃうもんね
ド!ド!ド!ドン詰まりこそ 無敵になるモチベーション きたきたきたこの感覚が まだ頑張れる合図なんだ ドン詰まりこそ 笑顔見せてなんのその まだまだまだあれこんなもん 大成功しちゃうもんね
あっちゅうまやこんちくしょうといった口語的な歌詞が好き。でも、一番のポイントは大逆転しちゃうもんねだ。そう、今は負けてるの。けど、気合い入れてこんちくしょう。ドン詰まりこそ無敵になるモチベーション。ドン詰まりこそ笑顔見せて何のその。勝ち組の目がまだあるから。
アウトロ
プレイリスト。
蓮まみれ、スリーズブーケまみれとなってしまい申し訳ございません。選曲が一つのコンテンツに偏ることが悪いとは思いません。ただ、自分の知らないコンテンツの曲だらけだと「うーん」と感じちゃうかなって。オタクは斜に構える生き物だから流行り物だとなおさらね。私は私の10選を楽しみにする方々がいると思っているので、その期待に応えられなかったのであれば申し訳ないです。
選曲が偏った原因は曲を掘れていないことです。一つのコンテンツにハマり過ぎたことで広く曲を聴くことができず、その結果、観測範囲にこの10曲を覆すものを見つけることができませんでした。さらに言えばこの10曲も無理やり選んでいます。これまで私の10選は楽曲間に優劣はありませんでした。しかし、今回は明らかに差があります。本文を読めば熱量の違いを感じることができるでしょう。以下が私の2023年楽曲10選あらため5選です。
最後に、10選を選ぶ上でコンテンツやアーティストに縛りを設けており困り果てているあなたへ。強者がルールを歪めることは現実にもあることです。スリーズブーケはゲームチェンジャー。せーのでその壁壊そう。
ラスサビとして動画を繰り返しました。*5この動画も100万年後には昔ばなしに載っけてください。あっ、また100万だ。
それでは。ぽちっ。
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*1:正確には我々が蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブを発見しました。
*2:彼女はファンタジーを好みます。文学と括るのは強引かもしれません。
*3:伝統曲ですが今のスリーズブーケを思い浮かべます。後に述べる様に解釈は自由です。
*4:素顔のピクセルが500回再生であるため相対的にとても少ない数でしょう。
*5:このぶん殴る振りは公式の振りです。私は振りコピをしただけ。その箇所へのリンクを用意したのでよかったら見てね。【蓮ノ空バーチャルライブ全編無料公開】103期7月度Fes×LIVE [2023/07/31] (ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ) #Fes蓮ノ空 - YouTube